秋の夕暮れ フライフィッシング

１０月の終わり頃、友人と別れて一人夕暮れにフライフィッシングを楽しんだ。
川面を山の陰が覆い始める頃の事。
一人残された寂しさを、忘れる為にロッドを振った。
魚は釣れなくてもよかった。
寂しさを忘れる事が出来れば良かった。
川面を吹き抜ける風は冷たかったけど、小さなカワムツは優しかった。
ツンツン、ツンツンっておいらのロッドに話しかけてくれた。
一人で寂しかった事は、カワムツが忘れさせてくれた。
でも、手強い相手だよ、カワムツは。
魚が小さいだけに、なかなか針に掛からないよ。
それでも、小さいカワムツは優しい瞳で会いに来てくれたよ。
カワムツは小さな魚だけど、会えて嬉しかった。


カワムツは小さな魚だけど、可愛い瞳をしているよ。




夕暮れ迫る川面は寒かった。